4) Breaking Into a tight line+Counter balance Rescue
要救助者がぶら下がった(テンションのかかった)ロープに割り込み、そのぶら下がっているロープでホーリングする方法を数種類紹介します。ロープの中間や端末でもできる方法で、1:1のカウンターバランスで行う方法を組み合わせてSpanish Pendulum(スパニッシュペンデュラム)とも言います。必要最小限の装備でしかもたった一人で要救助者を引き上げる事ができます。プーリーやカラビナを通して反対側に荷重を掛ける事をカウンターバランスと言います。ここではオーソドックスに1:1で荷重をかけます。
今回は「プルージック+カラビナ」→「ミニマリストレスキュー」(必要最小限の装備で行うレスキュー)を紹介します。
多くのパターンがありますので、次回以降すこしずつ紹介します。
1)「アッセンション+プーリーのパターン」
2)「アッセンション+ミニトラクション」
3)「アッセンション+ロールクリップ」
4)「スリング+カラビナ」→「ミニマリストレスキュー」(必要最小限の装備で行うレスキュー)
※レスキュアーは別のメインロープにいることとします。双方ともバックアップも使用しているとします。まずは、必要最小限の装備でやってみましょう。下部のウェイトは要救助者とします。
山岳レスキューやケービングレスキューでは、必要最小限の装備でホーリングの必要にせまられる場合があります。究極と言う意味では、プルージックとカラビナのみでも可能ですが、抵抗が大きくロスも多くなります。やればできると言う意味で覚えておく必要はあると思います。画像ではプーリーを使用していますがプーリー無しではなかなか大変です。一度挑戦してみて下さい。カラビナの上下にスリング(写真はクレムハイスト)で固定します。カラビナにはロープを通したプーリーもセットします。要するにアッセンションがスリング(この場合は30cmスリング)に変わっただけですが、現場にアッセンションが多くあることも少ないので、軽いスリングは重宝します。ベーシックなんかもコンパクトなので常備しておくと便利です。引き上げ用のプーリーをロールクリップの上方のロープにセットすれば完了です。フットループで踏み込みながら要救のロープも引き上げます。ピックオフレスキューと同じ感覚です。要救側のロープも少し引き上げないと上がって来ません。プルージックやスリングで行う時は、小さくてもジャミングプーリーを使うとうまくできます。ある程度ロープを引きだし、カウズテールで自己確保してからプーリーとプーリーの間にクロールでぶら下がり、1:1のカウンターウェイトで要救を引き上げます。ロープグラブ(アッセンション・ベーシック・レスキューセンダー・最悪プルージック)等でアンカーを作り救助者のカウズテールのセットが重要です。自分の安全確保をわすれてレスキューを行うのは、本末転倒です。カウズテールがあれば自分が下がりすぎる事はありません。自分の全体重をかけているので、なれると簡単に要救を引き上げる事ができます。
画像だけだとイメージしにくいので、後日動画でもお見せします。