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猛禽類調査−カメラ設置−人工代替巣設置
イヌワシ・クマタカ・オオタカなど希少猛禽類の調査をしています。
得意の木登り技術で、どんな高い木にも登ります。
写真撮影・寸法測定・残留物採取・定点観測用カメラの設置等
人工巣の作成や設置も数多くのノウハウがあります。

絶滅危惧種保護の観点から、調査場所や貴重な写真も
明かせない事が多くあるのが残念ですが、ロープクライミング技術
のおかげでこのような保護活動に参加できる事に感謝しています。
オオタカの巣(調査)
地上20m・擬態モードで近づく
ヘルメット〜服まで、うまく風景にとけこんでいます。
調査の場合は、完全にステルスモードで行動します。
森の忍者スタイルです。人に出会うと逆に怪しまれるほど。

お出かけ中の巣にそお〜っと近づき写真撮影です。
巣の寸法や産座(中心の部分)のサイズを測定します。

多くの場合、巣の反対側の幹が綺麗に空いているので、巣には全く触れず上部まで登り、調査する事ができます。
樹木にカメラを設置する場合は、曲がった位置や太さに合わせる独特のノウハウが必要です。

細心の注意をはらい、刺激しないように気をつけます。
枝の隙間から写真を撮っています。
人工巣の作成と設置
中・小型猛禽類用の場合は、これをベースに小枝を組み合わせ作成します。実際にはオオタカ専用に使用しています。

小枝を組み合わせると、殆どアルミのフレームは見えなくなります。


下の方を太い枝で組合せると本物らしくなります。
内側は細い枝を曲げて囲むように配置します。葛を適当にまるめて使うと簡単です。
仕上げは、入居者が自分でリフォームするので、あまり細かくやらなくても問題はありません。
樹上で小枝をセットするのは大変なので、地上で作成したものをそのままセットします。


← オオタカ



問題は、取り付け場所です。
三又部分のある、15m程度のしっかり固定できる高木の選定が重要です。

以下、設置例です。アルミフレームも殆ど見えません。できるだけ自然に近い形で設置します。
ステンレスバンドで固定してあるので、そう簡単に崩れることはありません。10年保障?の安心住宅です。
バンド部分はジュートテープでカモフラージュしています。
都市型のオオタカの場合、人口巣の成功例も多く報告されるようになっており、個体数も増えてきているようです。

この仕事をさせていただく前は、大きな鳥が上空をクルクル旋回していても、またトビ(トンビ)か........?程度にしか思ってなかったのですが、とりあえず望遠カメラで撮影しておいたものを拡大チェックして見ると、なんと !!!!
明らかにトビとは異なる猛禽類が写っています。

全部「鳥類図鑑」で調べただけなので、自信はありませんが、ハイタカ・ノスリ・ミサゴ----???


.新しい発見に、ワクワクしてしまいました。
↑ハイタカ  
↑ミサゴ ↑ノスリ
← クマタカ
作業中に突然現れました。
やはり、テリトリー内でごそごそやっていると、偵察に来るんですね....こちらは大慌てでカメラを取り出し、奇跡のショット。
小枝にピントが合ってしまったり、ズームからはみ出したり..樹上での作業中ではどうにもなりません。
真上に来た時は尾羽の横縞がはっきり確認できたのですが、......

みごとな白黒の縞模様です。
残念ながら、うまく撮れませんでした。
いたち?調査中の巣の中の宝物
調査中の巣の中には多くの宝物が詰まっています。
さすがに大型のクマタカともなると大きな骨や動物の頭蓋骨も見つかります。

これって...いたち?


直径2cm〜3cm程度の枝で、根元が折れたものが多いのですが、引きちぎって持ってきてるんでしょうか?

そうだとすると、相当な力です。
人力でも折るのは結構大変だと思うのですが...
クマタカ用人工巣の設置です。
大型の猛禽類用の巣台は、1.5m〜2mの大きさが必要なので、けっこう大掛かりになります。樹上20m程度に上げるのも大変ですが、実際には、大量の巣材を集める事の方がもっと大変です。上記のように丸型で作成することもあります。

これだけのサイズになると、巣材を集めるだけでも1日がかりです。最初はポロポロよく落としますが、ある程度のサイズになるとうまく絡みあうようになります。と言っても樹上での作業は制約が多いので結構大変です。

巣の形になってくると意外にガッチリして、動かなくなるのが驚きです。最後は、産座部分に青葉を敷き詰めて完成です。
最近では、成功例も増えているのでこれからが楽しみです。


樹上作業風景
樹上で作業する場合は、体を固定するためのランヤード(U字型調節機能付ロープ)が絶対条件です。

体をガッチリ固定できるので、両手を離しても快適な作業が可能です。

必ず、複数箇所からバックアップをとり体の安全を確保する事が基本中の基本です。

見ている人にとっては「何をごそごそやっているの?」
と言った感じですが、地上20mといえば7階建てのビルと同じ高さです。しかも細い限られた空間。厳しい条件での作業です。何よりも、自身の安全確保が第一です。

登り方もさまざまです。とりあえず太い枝にロープを引っ掛けてからロープそのものを登ったり、ロープを幹に巻きつけて登る「巻き登り」やロッククライミングのようにビレイしてもらいながら登ったり、状況にあわせてテクニックを使い分けます。



この凛とした孤高の美しさ。これがイヌワシの魅力です。
イヌワシ